難治てんかんに対する二期的脳梁全離断術

国立長崎中央病院脳神経外科1), 横尾病院2), 大分医科大学脳神経外科3)
上田 徹1,3), 馬場啓至1), 小野憲爾2), 小野智憲1), 米倉正大1)
【目的】 脳梁前半部離断のみで十分な発作の改善が得られなかった難治性症候性全般発作5例に対して、二期的脳梁全離断を行ない、その手術結果につき検討した。 【対象】前半部離断時の年齢は平均10.2歳(2.3-25.3歳)で、4例が小児期に手術を行った。発作初発より初回手術までの期間は平均6.8年(1.7-13.3年)。発作の原疾患は、脳形成異常1例、髄膜炎1例、その他不明であった。精神遅滞は重度3例、中等度1例、軽度1例であった。発作型は転倒発作(DA)が3例、強直発作(TS)が2例、ミオクローヌス(MY)が2例、複雑部分発作(CPS)が2例、非定型欠神発作(AA)が1例、頭部前屈発作(HD)が1例に認められた。離断範囲は、前2/3が4例、4/5が1例で、平均2年(0.7-3.7年)後に後半部離断を追加した。術後追跡期間は2-68カ月(平均28.6カ月)で、結果は発作の消失をFree、80%以上の減少をExcellent、50-80%の減少をGood、50%以下の減少をPoor、発作の増悪をWorseとして評価した。
【結果】前半部離断後にはCPSが1例でFree, DAは1例でGood, MYは1例でWorseであり、他の発作はいずれもPoorであった。一方、後半部離断後にはDAは全例でFreeでありAAの1例はExcellentとなったが、その他の発作には無効であった。また、DAを示した一例では全離断後に新たな部分発作が出現した。脳梁離断症状は成人の1例で認められたが、習慣性のある日常動作には支障は認められなかった。
【結論】脳梁前半部離断で抑制が困難な転倒発作に対して後半部離断は有効であった。さらに、小児例では術後の離断症状も明らかではなく、術後発作の消失によりADLの改善が得られた。